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営業部長吉良奈津子 #1から10 ドラマ レビュー 女性の生き方とは?

女性と仕事。女性は体の作り上、出産することがあります。そのため男性と比べて仕事に対する向き合い方もいろいろです。

 

妊娠するため、妊娠したから、出産するから、子育てするから、休職あるいは退職します。

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愛子の時代は、まだ結婚したら寿退社する人がほとんどでした。女性総合職第1期生の時代でもありました。友人でせっかく総合職で入社したのに、1年たたずに同期とできちゃった結婚をして、退職した人がいました。


結婚して、子供も産んで、仕事もバリバリする。すべてのことを手に入れている愛子の憧れの人は「松田聖子さん」でした。


今は結婚しても子供が生まれても、休職して復帰する人が多いようですね。

 

すべてのことを手に入れた「営業部長吉良奈津子」。主役は松嶋菜々子さん。フジテレビ系列。木曜夜10時です。脚本は「昼顔」の井上由美子さんです。今週最終回です。

 

しかし、そううまくは行かないのです。

窮地に立たされた吉良奈津子は、営業開発部は、いったいどうなるのでしょうか。

(この先に「家売る女」と「HOPE」の結末が書かれています。これから観る方はお気を付けください)

  

愛子は子供の時に母親がいなくて鍵っ子でした。お友達の家に遊びに行くと、優しいお母さんがいておやつを出してくれました。それがとってもうらやましかった。

 

一人ではかわいそうだからと、父親がカラーテレビを買ってくれました。ひとりで鍵を開けて家に入り、観るテレビはカラーでも寂しかった。

 

でも愛子のドラマ好きは、そこがルーツかもしれません。再放送でやっていた「高原へいらっしゃい」。つぶれそうなホテルを立て直すお話です。おもしろかったなぁ。

 

話がそれました。

 

それで、愛子は子供が生まれたら専業主婦になるとずっと心に決めていました。子供が学校から帰って来たときには必ず家にいられるように。

 

その時はお金のことなんて、何も考えていませんでした。

 

愛子はその願いをかなえ、2人の子供もなんとか1人でいろいろできる歳になりました。ふと気が付くと、教育費や老後のお金が足りません。

 

いざ再就職しようと思っても45や50歳のおばさんに仕事はなかなかありません。長女(17の歳)のお友達のお母さんたちで、すぐに仕事がみつかったのは薬剤師さんと看護師さんでした。やはり資格は強いです。

 

愛子のように何の資格もとりえもないただのおばさんで、しかも残業不可、子供が病気の時に他に看てくれる人がいない人に仕事をくれるほど世間は甘くありません。

 

ここにきて、今までどんなにつらくても子育てしながら仕事を辞めずに続けていた人が、いっきにうらやましがられる存在となりました。彼女たちには、ひとにはわからない苦労や葛藤があったことでしょう。

 

でもそれと引き換えに地位と名誉と高収入とやりがいを手に入れたのです。

 

地域にもよりますが、愛子の家の近くでは今の中学生の親御さんあたりから共働き家庭が急激に増えました。小学校ではPTA役員をできる人がなかなかいないと聞きました。

 

余談ですが、最近のキャリア志向の女子は大学生のうちに結婚・出産してしまい、就職してから産休を取らないのだとか。すごいですね。

 

世の中の景気にもよります。共働きでないと生活できない家庭もあります。

 

吉良奈津子は経済的にどうしても働かなければならないわけではありません。出産前は広告代理店のCMクリエイティブディレクターという人もうらやむキャリアウーマンでした。でも出産・子育てで休職した3年のブランクを取り戻すことはできなかったのです。

 

元の仕事に戻ることはできずに営業部長に任命されてしまいます。仕事はうまくいかないし、夫とシッターが浮気をしそうになるし、姑に責められるし、さんざんです。

 

奈津子の部署はもともと不正隠ぺいのために作られた部署でした。そこでスパイ役を演じているのが、一条達哉役のDAIGOさんです。DAIGOさんの悪役がはまっています。口をななめにしてニヤリとする顔など、本当に意地悪な人なのではないかと思ってしまいます。

 

そして高木啓介役の松田龍平さんが、ズルイくらいにカッコイイ。自分の最大のチャンスを捨ててまで、助けにくる後輩のクリエイティブディレクター役です。

 

そしてこのドラマのクオリティをさらに上げているのが、山下達郎さんの主題歌「CHEER UP!  THE SUMMER」。古さをまったく感じさせず、達郎ワールドに惹き込まれます。

 

今クールの人気ドラマ「家売る女」も「HOPE」も偶然なことに、最終回は自分たちで会社を立ち上げて終わりました。こうなったら「吉良奈津子」も会社を立ち上げて終わらせるか?

 

女性の生き方を考えさせられるドラマです。

 

見逃した方は、前回#10は木曜まで民放公式テレビポータルTverで観ることができます。