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50歳からの「死に方」(弘兼憲史著)は、50歳からどのように生きたらいいかという指南書です。レビューです。

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日本人の平均寿命は女性87.05歳、男性80.79歳(2015年厚生労働省)です。多くの会社の定年は60歳、最近は65歳のところも出てきました。

 

60歳になれば子供も成人しているでしょう。80か87で死ぬとしてあと20~27年間あります。あなたはこの年月をどのように過ごしたいですか?

 

自分はまだ若いから、そんな先のことは考えたくないと思うかもしれません。しかし弘兼さんは「遅くとも50歳から老後の準備をするべきだ」と言っています。

 弘兼憲史さんは1947年生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、松下電器産業の宣伝部に就職しますが20代で会社を辞め、漫画家になりました。「人間交差点(ヒューマンスクランブル)」や「島耕作」シリーズで有名な売れっ子漫画家です。

 

50歳からの「死に方」-残り30年の生き方(廣済堂出版)。この本は2014年に出版されました。

 

弘兼さんほどの売れっ子漫画家なら、大金持ちでしょうから老後の心配など微塵もないように思えます。しかし弘兼さんは、庶民の感覚を持っています。とても現実的に老後の生活について語っています。

 

今のところ年金は65歳から支給されます。60歳から65歳までの無収入の5年間をいったいどうやって暮らしていったらいいのでしょうか。

 

年金が支給されたとしても贅沢ができるような額をもらうことはできません。今から、こつこつ貯金をしておくか、お金を使わない生活に慣れておく、お金を使わないですむような生活にしていく必要があるとのことです。

 

「老後破産」も今問題になっていますよね。

 

収入が少なくなった老後から節約生活を始めると、人生がつまらなく感じてしまうそうです。

 

愛子は子供が17歳と10歳です。まだまだこれから教育費がかかります。とても老後の貯蓄をする余裕はありません。でも節約生活はしています。

 

ちまちま電気を消したり、コンセントを抜いたり、買い物は安い日に行ったり、ポイントためたり、いろいろ頑張っています。でも結婚したてのお金が本当になかった頃のことを思い出すと、今はずいぶん贅沢をしています。外食の回数も増えました。面倒だと、子供にお弁当を作らずにお昼代を渡したりしています。

 

頑張れば、もっと節約できるはず。気持ちを引き締めます。

 

弘兼さんの提案する50代の心構えは、

人と自分を比べないという「覚悟」をしてほしいのです。

つまり「人は人、俺は俺」ということです。

 

そして

どうせ、比べるなら、自分より恵まれていない人と比較しなさい。そうすれば、いかに自分が幸せか、よくわかりますから。

と言っています。確かに、人と比べて落ち込む時は、自分より恵まれている人と比較しています。きりがありませんよね。

 

またこの年代になると「親の介護」という問題が出てきます。それについて、

まず持つべきは「親への感謝」であることは言うまでもない。

 と同時に

介護による家庭崩壊を避けること。

が大切と言っています。精神的・肉体的・金銭的に無理をしないこと。他人の力を借りること、親が元気なうちに話しをしておくことを勧めています。

 

愛子のまわりでも、介護で家庭が崩壊した、あるいはしそうな家庭がいくつもあります。

 

そして50歳ぐらいで人生の岐路に立つと言います。このままいくのか、ここで転身するのか。はたまた定年後に転身するのか。

 

定年してから転身の準備をするのでは遅いのです。

とくに起業を考えるのであれば、早い方がいい。遅くとも、体力も気力もある55歳くらいまでに現実的な準備を始めるべきです。

オタクな趣味がある人は、それを生かして仕事にすることができるかもしれないということです。それにはオタクを極めなければなりません。

 

その他にも50歳をすぎたら、やっておいたほうがいいこと、心構え、「死」に対してどう向かっていくか、など参考になることがたくさん書かれていました。

 

この本は男性向けに書かれていますが、女の愛子が読んでもとてもためになりました。

 

愛子はこの本に老人になってからでなく、今出会えたことをラッキーだと思いました。まだ50歳になっていない若い人にも、ぜひ読んでもらいたい本です。