世田谷美術館の「花森安治の仕事」展に行ってきました。花森安治さんとは雑誌「暮らしの手帖」の初代編集長で雑誌の編集の他、表紙の絵や挿絵も描いていた人です。
NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の花山伊佐次のモデルとなった人物です。ドラマの中では唐沢寿明さんが花森さんを演じていました。
心がほっこりしました。美術館に行ってこんなにあったかい気持ちになったことが今まであったでしょうか。
「花森安治の仕事展」は何となく絵がたくさん飾ってあるのかなと思って出かけていきましたが、絵は三分の一ぐらいでした。花森安治の人生、生き方、そんなものを全部展示した感じです。
場所は世田谷美術館です。東急田園都市線の「用賀」駅から徒歩17分と書いてあります。バスもありますが、歩いて行きました。
「用賀」駅の北口に出ます。駅と直結した世田谷ビジネススクエアというビルが建っています。その1階の端に塾のSAPIXがあります。SAPIXまで行くと「世田谷美術館」という矢印を書いた看板があります。
あとは看板通りに歩いて行けば大丈夫。目指すのは清掃工場の水色の煙突の方角です。
途中通る用賀三条通りは趣のある黒いタイルの遊歩道でした。用賀三条通りをずっとまっすぐ歩いて行くと環八(環状八号線)にぶつかります。環八の向こう側が砧公園です。世田谷美術館は砧公園の端にあります。右に曲がって信号を渡ると砧公園の中に入ることができます。砧公園の中を散歩しながら歩き、20分ちょっとで到着しました。
チケット売り場でデパート系のカード提示で200円割引になることがあります。確認してみてください。
花森安治の仕事展にはブロガーさんたちも行かれています。
ブログ「coconoo doll」の里山の人形作家の九尾さん。
ブログ「心を楽に、シンプルライフ」のイラストレーターのayakoteramotoさん。
お二人のレビューを読んでぜひ行ってみたいと思いました。
花森安治さんは1911年生まれ。東京帝国大学出身です。平塚雷鳥さんに影響を受け、女性を解放するべきだと考えるようになったそうです。
その後「とと姉ちゃん」では高畑充希さんが演じていた小橋常子のモデル大橋鎭子さんと雑誌「暮らしの手帖」を発行します。
雑誌というと読んだら捨てるものというイメージですが「暮らしの手帖」は違います。どの号もずっととっておきたい。そんな気持ちになってしまう宝石がつまったような宝石箱のような雑誌です。表紙の絵も全部飾っておきたいと思うほど素敵です。「暮らしの手帖 画像」とググるとたくさんかわいい絵が出てきます。
その後、アイロン・鉛筆・洗濯機・電気炊飯器などの商品テストや浴衣から洋服を作る方法、洋食の作り方、甘い飲み物の作り方など当時としては斬新なアイデアで雑誌は発行部数を伸ばします。その根底には暗い世の中から明るい暮らしへという思いが込められていました。
花森安治さんの絵は、とてもかわいらしいのです。どこか外国の香りがします。とてもセンスがいい。今の時代でもまったく通用するセンスです。このセンスのよさが、雑誌のヒットにも生かされていたのだと思います。
第96号は特に花森安治さんの熱い想いが込められた1冊となっています。読者からの体験記を募集しその中から選ばれたものが掲載されています。体験者が数少なくなった今、そしてこれからずっと語り継いでいかなければならないこと。永遠に発行していてもらいたい号です。
絵を観て、こんなに心がほっこりしたのはいつ以来だろう。人をこんな温かい気持ちにさせる絵。それはさまざまな想いを持った花森安治が描いた絵だからこそなしえるわざなのかもしれない。
自分へのお土産はポストカード3枚と一筆箋。
帰りも同じ道を歩いて用賀駅に向かいます。途中用賀三条通り素敵なカフェを見つけたので入ってみました。「工房花屋」です。
お花屋さんがカフェもやっています。店内はアンティーク調の家具とお花の香りに包まれています。ジャズが流れていました。
メニューはケーキセット1080円一種類のみです。飲み物はコーヒー・カフェオレ・紅茶から選びます。ケーキも一種類のみのようです。愛子が行った日はチーズケーキでした。こちらのお店では結婚式もできるそうです。
ちょっと贅沢なゆっくりとした時間を過ごすことができました。
東京都世田谷区上用賀5-8-11
お花屋さん 9:00~19:00
カフェ 10:00~18:00
年中無休
東京都世田谷区砧公園1-2
10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週月曜日休館(ただし3/20(月・祝)は開館。翌21(火)は休館)
「花森安治の仕事」展は2017年4/9(日)までです。
世田谷美術館では4/22(土)より絵本「はらぺこあおむし」で有名なエリック・カール展が開催されます。こちらも行ってみたいです。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。