子どもが不登校になると、親は驚き戸惑う。
そして親は動揺してしまう。
親はいったいどのような態度を子どもに示せばいいのだろうか。
クリックしてね!
「学校に行きたくない。」
ある日突然不登校は始まる。お腹が痛くなったり、始まり方はそれぞれだ。
最初の対処には2通りある。ひとつは、多少嫌がっても無理やり行かせる。それで行けるようになる子がいるのも事実だ。
もうひとつは、とりあえず休ませて休息させる。今はこちらが主流の考え方になっている。最近の子はスケジュール的に多忙であったり、人間関係もSNSなどで24時間続き複雑化している。
不登校が長期化してくると、親は「このままずっと学校へ行くことができなくなってしまうのだろうか。」と不安になってくる。
なぜ不安になるのか。それは日本では、学校へ行くことがあたりまえで、学校へ行かせることが親の義務であると思っているから。
自分の子どもには、「学校へ行っていろいろな経験をして、人とうまくやれる人になってもらいたい。」「レールに上手いこと乗って、いい中学、いい高校、いい大学、いい会社に入り、よい伴侶をみつけ、お金を稼いでできるだけ苦労しないでもらいたい。」と思っているからだ。
これは昭和時代の考えであるが、令和の今もそれは間違いではない。しかし、また新しい流れが始まっていることも確かである。YouTuberなど、必ずしも学校へ行くことが成功とは結び付かない例が多く生まれている。
そういうことを頭ではわかっていても、やはりできることなら子どもには学校へ行ってもらいたい。そう思ってしまうのが親というものだろう。
子どもが学校へ行けないとその親はどうなっていくのか
親は自分の子どもがなぜ学校へ行けないのかと悩むことになる。原因を探したり、学校へ行けるようになる方法を探したりする。
不登校について、学校の先生やママ友にはなかなか理解してもらえず、やがて話題も合わなくなり、疎遠になっていく。
親は孤立し、ひとり悩み落ち込んでしまう。子どもにこぼすこともできないので、人知れず夜中に布団をかぶって泣いてしまったという母親も少なくない。
中にはうつ病になってしまう親もいる。
いっそ子どもと共に心中してしまったら・・・と考えたことがある親もいる。
「不登校」はそこまで追いつめられる要因となりうるのである。
次第に親から笑顔や明るさが失われていく。それは他の家族や子どもにも伝わっていく。家全体が暗く沈んだ雰囲気になっていく。
そんな中、当の本人は「自分のせいで親や家族が元気がなくなっている。」ことを無意識にでも感じとる。そして本人もまた暗くなり、さらにふさぎこむ。
負のループだ。
「どうしたら学校へ行くことができるようになるか。」この問題はとりあえず置いておいたとしても、家族が暗くなるこの「負のループ」からは抜け出さなくてはならない。
なぜならば、家族全員が落ちている状況では何も生まれない、いいことがひとつもないからである。
「負のループ」から抜け出す方法
「負のループ」から抜け出すにはどうしたらよいだろうか。
まず、親、子供、そういう立場を忘れて、各々が「1人の人間として生きる」ということを考えてみる。
「私」は何が好きだろうか。
「私」は何をしている時が楽しいだろうか。
「私」はこれからどのように生きていきたいだろうか。
そういえば子どもが生まれてから私は「○○ちゃんのおかあさん」という名前で25年間生きてきた。まさに「名前をなくした女神」である。(笑)
四六時中子どものことを考えるのは意識してやめる。
そして人のためではなく、自分のために、自分を喜ばせることをして、自分の生きたい人生を生きる。
親というものは、子供を身ごもった時から自分より子供を優先して生きてしまう生き物だ。子どもの成長と共に、親は少しずつ本来の「自分」を取り戻さなければならない。一生子どもと共に生きるわけではない。いつかは、子どもは自分の人生を生きるようになる。子どももまた、ずっと親と共に生きることはできないのだ。
子どももまた、「親が喜ぶから」「親の期待にそう」「親が言うから」ではなく、自分の意志で生きていくことが自己を確立する上で大切だ。
親も子も、家族各々がそれぞれが好きなことがあり、やりたいことをやって、ワクワク楽しく生きていたら、その家はきっとハッピーオーラに包まれるだろう。
そのように生きていれば、たとえ子どもが不登校だったとしても、明るさは消えないだろう。
子育て中はお金もかかるし、生活費や教育費を稼ぐので忙しい。私は自分のために使うお金も、時間もないと思っていた。子どもが不登校になり皮肉なことにまったく教育費がかからなくなってしまった今、あの生活は間違っていたと思う。心がカラカラにかわくまで、教育にお金をかけるべきではなかった。その思いや生活が子どもにプレッシャーをかけていたかもしれないとも思う。
我が家の場合
我が家には18歳の不登校男子がいる。13歳から始まった。
当初は親である私も泣いたり、子どもに問いただしたり、責めたり、夫と言い合いになったりしていた。家の中は暗かった。そして子どもも口数少なく、不機嫌なことが多かった。
親もカウンセリングを受けた。「お母さんの心の安定が一番大切です。」と言われたが、どのように安定させるのかがわからなかった。できることなら自分でも安定したかった。
それからたくさんの本を読んだが、不登校の確かな解決方法はわからなかった。
とあるセミナーを受けて、生き方を学んだ。
家族が楽しく生きていると、子どもも自分のことをよくしゃべるようになった。
息子が学校に行かなくなってから5年たった今、不登校児がいるにもかかわらず、我が家は明るい。学校がある昼間でも親子で堂々と外出している。よその家には理解しがたいことかもしれない。
不登校の正解はわからないけれど、「人は皆自分の人生を楽しむべきなのだ」とやっと気がついた。
私も息子もまだまだ自分探し中。いつか自分を見つけたい。
※この物語は、事実に基づきフィクションをおりまぜています。
多くの不登校で悩むお子さんや親御さんの心の支えになればと思い、ここに息子の不登校の軌跡を記す決心をしました。
不登校に関してはまだまだ認識が広まっておらず、多くの親子が誰にも話すことができずに日々悩んでいるのが現状です。
この物語を通して、日本の教育に新しい風が吹きますよう。