不登校、いいね!
「高校は行くもの」という固定観念
「僕は高校には行かないよ。」
「えっ?」
ある日、息子の秀明に言われ頭が真っ白になった。
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まさか自分の息子が高校に行かないなんて。と、いうことは「中卒!?」
自分の息子が「中卒」になろうとは夢にも思っていなかった。私たち夫婦は一応大卒である。
「中卒」でも立派になっている人はいる。しかし多くの場合、その生きる道はつらく、けわしい。社会的に認められ、高給を得ることは困難に思える。
秀明は中学1年の11月から不登校になっていた。私立の中学だったため、出席日数があやうくなっていた。その先に登校できるきざしもなかったので、中学2年の10月に「角川ドワンゴ学園N中等部(以下、N中)週5日通学コース」へ転校した。
転校してしばらくは通学できていたが、新型コロナウイルスの流行と同じ頃、また「登校しぶり」が始まっていた。「登校しぶり」とはその名の通り、「学校へ行きたくない。」と言って、特に朝などにもたもたすることだ。幸い、コロナの流行時期と重なり、オンライン授業を受けることで通学したこととみなされた。(N中に通っている時は公立中学校に在籍していたため、中学卒業資格に出席日数は関係はない。)
秀明は一応やるべき課題などはやっていたが、勉強に対する意欲がなくなっていたので、一般の高校受験はできない状態だった。私たちはそのままN高等学校(以下、N高)に行くものと勝手に思っていた。そこで冒頭の発言である。
不登校児と高校受験
不登校の中学三年生にとって、高校進学はとても大きな問題だ。
一般の公立高校にするのか、私立高校にするのか、はたまた通信制高校かサポート校かエンカレッジスクールか、フリースクールか・・・。出席日数や内申の問題もある。
いつから不登校になったのか、勉強はできているのかいないのか、外に出ることができるのか、などその子その子によって状態も様々なのでひとくくりにこうすればよいという解答もない。
まだ世の中の多くを知らない中学生に代わって、保護者は頭を悩ませる。分からないながらも調べて、説明会へ行き、子供によさそうな所をすすめてみたりする。
子供が話を聞いてくれる場合は、それで決まる場合もあるだろう。しかし、子供は以前のままのつもりで難関進学校を希望したり、親は普通の高校に行かせたいが子供は通信制に行きたがったり、意見がわかれることもある。
入試当日に試験会場へ行けるのかどうかもあやしい。
家や部屋にひきこもってしまっている場合は、さらにその問題は困難を極める。
うちの秀明は「高校へは行かない。」らしい。高校へ行かないわが子の未来はどうなるのだろうか。お先まっくらとしか思えない。
しかし、自分が中学3年生だった時を思い返してみると、狭い世界の中ながら「自由な校風の高校へ行きたい。」「共学がいい。」など確かに小さい意志を持っていた。
高校をどうするか。中学三年生の子供でも、それは「本人の課題」なのかもしれない。
※この物語は、事実に基づきフィクションをおりまぜています。
多くの不登校で悩むお子さんや親御さんの心の支えになればと思い、ここに息子の不登校の軌跡を記す決心をしました。
不登校に関してはまだまだ認識が広まっておらず、多くの親子が誰にも話すことができずに日々悩んでいるのが現状です。
この物語を通して、日本の教育・医学・栄養学に新しい風が吹きますように。